米離れが進んでいると言われる一方で、品種ごとに的確な水の量を教えてくれるIH釜が現れるなど、
〝米を、おいしく食べたい〟、〝おいしい米を、食べたい〟
という願いは、以前にも増して高まっているようです。
「思ったより皆さん、米が好きなんだなと感心しました。
米屋が言うのも、変ですが」
そう言って笑う、澤田導俊さん。1915(大正4)年創業、北斗市の澤田米穀店の4代目です。近所のスーパーでも米が買えるのに、蘭越米をわざわざ買いに行く人が少なくなかったそうです。おいしい米、おいしいだけでなく安心できる米を、自分の目で見て吟味し、仕入れて販売する。7分づき、5分づきといった精米の希望にも対応する。一般的な流通米を扱う町の米屋さんだった澤田米穀店がそんなスタイルへと転換したのは平成27年のことです。
平成20年に店を継ぐまでは、異業種で働いていたという澤田さん。転勤により7年間暮らした石川県で斬新な米づくりを目にします。石川といえば、加賀百万石。日本でも有数の米どころです。
「私がいたのは、米どころが徐々に北上し、東北や北海道でおいしい米が生産されるようになり、人気を得ていくころでした。
そうしたなか、米づくりにプライドを持つ農家が自主的に集まって、農薬を使わない栽培方法を研究したり、新たな販売手法を考えるなど、活発な取り組みが行われていたんですね」
農家同士で法人をつくり、米の魅力を改めてアピールする。それは、米の拡販だけでなく、伝統的な食文化のPRでもありました。
「実家に戻り、米屋をやりたくなったんです。それを見て。米が楽しい時代になってきた。そんな感じがありました」
北斗市に帰郷し、まず取り組んだのが農家を営む同級生の水田や古くから取引のある農家に出向いての田植えの手伝い。つくることを知らないと、何も始まらないという考えからです。同時に、地元をはじめ、東北・北陸で先進的な米づくりを手がけている農家を訪ねて、直接仕入れのルートを開拓していきました。
「おいしいお米であることはもちろん、農薬を不使用あるいは一定以上減らした特別栽培米であること。それを、自社の低温倉庫でしっかり管理し、店頭精米してご提供します」
同じ品種でも、産地によって微妙に、味が異なります。
また、北海道米は本州米よりも米質が柔らかいので、水加減は少なめ。
そんな食べ方、味わい方なども、聞けばあれこれ、教えてくれます。
主食だから、と肩肘張らず、まずは2合のパックを手に入れ、
食べ比べなどいかがでしょう。
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ご飯に合うふりかけ、炊き込みご飯のもと、ポン菓子。
焙煎した玄米によるクラフトビールなどなど、米屋ならではの味覚も。
2021年からは、半年ほど精米したてのおいしさが味わえる
真空パックの商品も販売予定です。
「米屋、楽しいです」
と言いつつ、新たな商品を考えている澤田さんです。